絶品!柿をお試しあれpersimmon
柿は自然の名医です。
「柿が赤くなると医者が青くなる」のことわざがあるように、
柿はビタミン、ミネラルたっぷりの果実。
果物としてだけでなく、様々な用途に使われてきました。
また、柿の渋は、ポリフェノールの一種で、その機能性が注目をあびています。
柿が手元に届くまで
A紀北かわかみは日本一の「柿」の産地。
おいしい柿が収穫されるまでと、収穫後の選果場での作業を経て皆さんの手元に届くまでをご紹介します。
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冬の柿園地
柿の木は冬になると、全ての葉を落とします。枝だけになった柿の木。
柿農家は良い果実を収穫するために不要な枝を切り落とす『剪定作業』を行います。 -
春の柿園地
暖かくなると、柿の木は若葉を出して蕾をつけます。ここでも農家は、大きくて甘い果実に育てるため、『摘蕾作業』を行います。
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初夏の柿園地
6月初旬の果実は大きさ2~3センチほどで黄緑色をしています。 これから、太陽の光を浴びて水分や養分を吸収しどんどん大きくなっていきます。
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STEP.01
収穫
大きさや色など収穫基準に達した果実から、丁寧に収穫していきます。
刀根早生柿は開花してから約120日で成熟します。
少し青みが残っているかなという果実も、この時点で糖度は充分。
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STEP.02
選果場へGO!
収穫された果実はその日の内に管内の選果場へ運び込まれます。
夕刻ともなれば、選果場前は車が数珠つなぎになることも。
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STEP.03
選果場へGO!
脱渋庫から出された柿はいよいよ選果台へ。
人の手で選別した後、カラーセンサーというコンピューターが一つひとつの果実の色・形・傷を見て、選別します。
①人の目と手で選別し、コンピューターで識別しやすいように向きなどを整えます。
②カラーセンサーによって色などを選別します。
③選別した柿は、大きさや等級によって分けられます。
④ダンボールの箱が選別された柿を待っています。
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STEP.04
箱詰め・出荷
選果された果実は、一つひとつ傷つけないように、丁寧に箱へ詰めていきます。
いよいよ市場へ向けて出荷です。市場では、セリなどを経て、中卸・小売店へ。
収穫してから、5日目には、店頭で皆さんに買われるのを待っています。
JA紀北かわかみで作られている柿の種類
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たねなし柿
種がなく、四角い形の柿です。一番早く出る品種が「刀根早生柿」で9月中旬から、「普通平核無柿」(ふつうひらたね)は10月中旬から出荷されます。
ジューシーでやわらかく、子どもやお年寄りにも食べやすいです。
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紀の川柿
「普通平核無柿」に9月中旬ビニールの袋をかぶせて固形のアルコールを入れ、樹になったまま渋を抜きます。果肉がゴマをふったようになるのと、糖度が高く、富有柿のようにさくさくした食感になること、紅が濃くなるのが特徴です。
ゴマはタンニンが水分に溶けないように固まったものです。
11月初旬ごろからの出荷です。
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富有柿
丸くこんもりした形と、大きめのへた、深い紅色、さくさくした食感が特徴。
柿といえばこの富有柿を想い浮かべる方も多いようです。
早生が10月下旬からありますが、本格的には11月から出荷されます。
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串柿
串柿は、お正月の鏡餅の上に飾る縁起物です。かつらぎ町四郷地域が生産地として有名です。10月末より生産が始まり、家の軒先などに一斉に串柿が吊るされます。
柿色の珠のれんが彩る景色は、秋の風物詩となっています。
柿は自然の名医です
ビタミンC
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柿1個(200g)に
含まれるのは -
渋柿 100mg
甘柿 127mg
成人の1日必須量100mg
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こんな働きが
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●免疫力向上
●生活習慣病予防
●毛細血管の強化
●コラーゲンの合成
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特徴
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コラーゲンの生成に関係するために、お肌の美容と大いに関係するビタミンCです。
毛細血管を強固にしたり、細菌の感染に対する抵抗力をつけたりします。
最近最も注目されているのは、動脈硬化、高血圧、ガンなど生活習慣病の予防と治療に効果的ということです。
活性酸素の働きを抑制し、活性酸素が細胞などを酸化して傷つけるのを防ぐ働きをするからです。
壊れやすいので、生で食べるフルーツは、その補給に最適です。
カロテン
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柿1個(200g)に
含まれるのは -
渋柿 546mg (レチノール換算91μg)
甘柿 764mg (レチノール換算127μg)
成人の1日必要量 レチノール換算で女540μg、男600μg
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こんな働きが
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●発ガン予防
●視覚・粘膜の強化
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特徴
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カロテンは、植物が持っている色素の一種です。体内で、ビタミンAに変わります。
柿に含まれるカロテンは、ベータ・カロテン、リコピンなどです。
人の成長や、視覚・粘膜、免疫にかかわっているのがビタミンAです。
最近は、抗酸化機能、発ガン物質から細胞を保護しガンを予防する働きが注目をあびています。
カリウム
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柿1個(200g)に
含まれるのは -
渋柿 364mg
甘柿 309mg
成人の1日必要量2000mg
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こんな働きが
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●細胞の浸透圧の調整
●利尿作用
●筋肉の収縮
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特徴
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カリウムは、細胞の浸透圧の維持、筋肉の収縮に関係しています。
カリウムは、血圧を上げる余分なナトリウムを排せつする働きがあるので、高血圧を予防します。
柿を食べると体が冷えると言われるのは、カリウムが利尿作用を持っているためです。
食物繊維
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柿1個(200g)に
含まれるのは -
渋柿 5.1g
甘柿 2.9g
成人の1日必要量 20~25g
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こんな働きが
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●便通をよくする
●大腸ガン予防
●肥満予防
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特徴
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食物繊維は消化吸収されないので、便通がよくなる。
体の不要物をすみやかに出してくれるので、大腸ガンの予防にもなります。
消化吸収されないので、食物のかさを増やし満腹感を与え、肥満予防にもなります。
渋(タンニン)
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柿1個(200g)に
含まれるのは -
渋柿 100mg
甘柿 127mg
成人の1日必要量100mg
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こんな働きが
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●生活習慣病予防
●高血圧予防
●免疫力向上
●二日酔い予防
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特徴
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渋はタンニンともいいます。植物は生長するまで食べられないように、タンニンで渋い味を作っていると言われます。赤ワインなどで話題となったポリフェノールの一種です。
私たちは呼吸によって必要なエネルギーを得ていますが、同時になんでも酸化しようとする活性酸素も生み出されてしまいます。活性酸素は、酸化によって細胞などを酸化し、酸化が進むと、動脈硬化、糖尿病、ガンなどになりやすくなります。
タンニンは、これらの高血圧を始めとした生活習慣病を防ぐ働きを持っています。
また、酒を飲む前に柿や干し柿を食べておくと、悪酔いを防いでくれます。これもタンニンや食物繊維がアルコールの吸収を抑え、果実中の酵素がアルコール分解を促し、カリウムの利尿作用ともあいまって予防してくれるとされます。