JAについて代表理事組合長ごあいさつ
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代表理事組合長宮本 幸博
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当JAは和歌山県の北東部に位置し、大阪府奈良県に隣接するとともに世界遺産の霊峰高野山を臨み、清流紀の川に抱かれた風光明媚な農村地域であります。そこでは、温暖な立地条件を生かした日本一の柿をはじめ桃、ミカンなど多くの果物が営々と育まれています。しかしながら、農業は今、担い手の高齢化、耕作放棄地の増加、鳥獣害被害に加え、政府が進めるTPP問題や日欧EPAで農業への影響が懸念されるなど内外とも多くの問題を有しており、大きな転換期にあります。
一方、我々の住むこの地域は自然災害が少なく、温暖な気候に恵まれ、人情あふれる人々が多いのが特徴です。そして果樹農業は地域の一大産業であります。
私達は、この素晴らしい農村風景を後世へ引き継いでいく責任があり、これまで脈々と受け継がれてきた果樹農業という営みを更に組合員の英知を結集し、21世紀に相応しい夢ある産業として発展させていきたいと考えております。
果物溢れる私達の住むこの地域に一度足を踏み入れてみませんか。組合員一同、心からお待ちしております。
経営理念
「満足を超えた感動を
全ての人に」
この経営理念には、二つの意味が込められている。
一つは、「満足を超えた感動」に込められた意味である。
人は支払った経済的な価値に対して、それに見合う商品やサービスを期待する。そしてそれが充足されたとき、「満足」を覚えるのである。しかし、自らが期待したものをはるかに超える経済的・精神的価値が提供されたとき、人は「感動」を覚えるのである。感動を生むためには、知識や技術の体得は当然のことながら、協同組合の原点である「他人を思いやる心」が必要である。我々は事業活動を通じて自らの人格を鍛錬しながら、地域社会に貢献したいと心から願っている。
もう一つは「すべての人に」に込められた意味である。
高齢化と輸入の増加などにより地域経済における農業の地位は毎年低下している。我々は、コア・コンピタンス(強み)である農業の維持に全力を尽くす必要がある。しかし、我々の事業基盤は確実に蝕まれつつあることも、また事実である。農業を維持するためにもJAは強靭な体力をつけなければならない。その時にJAが進む方向性として、地域に貢献することで地域に住むすべての人に組合員として事業を利用してもらうことを志向する必要が見えてくる。つまりJAは、「我々は地域の農業を守るためJAの経営を安定させる必要があります。それゆえ、例えば、地域の高齢化や食の安全など生活面での事業を通じて地域に住むすべての人のために役立つことで地域と共生するJAをめざします」と宣言しているのである。
ただし、ここで言う「すべての人」とは、生活面の事業においては農業者とそれ以外の人に等しく感動を与えることをめざすという意味ではあるが、すべての人に均質な商品・サービスを提供するという意味ではない。組合員の価値観は多様で、ニーズも様々である。限られた経営資源の中で、誰のニーズから解決していくかの判断も忘れてはならない。我々はJAの理念・基本的価値に従い、組合員の声を取捨選択しなければならない。
我々は、経営理念の達成に向けて全職員がその意味を理解し、その達成への努力が自らの喜びとなり、その結果、組合員の笑顔が地域に溢れるJA作りに取り組む。